Q10. 抵抗測定時にメーターから発生する測定電流は何アンペアですか?
フルークのハンドヘルド型マルチメーターでは、抵抗の測定中にリアルタイムで発生している測定電流は数値で規定されていません。仕様書には抵抗測定のレンジ毎(または全レンジ共通)に短絡回路電流の代表値とフルスケール電圧値が書かれています。
(仕様書の例)
レンジ毎の短絡回路電流の代表値とは、手動でレンジを固定して短絡回路(ほぼゼロΩ)を測定した場合に流れる回路電流の代表値で、そのレンジで一番大きな電流が流れる条件での値を意味しています。例えば仕様書に6kΩレンジでは100μAと書かれている場合、6kΩレンジで短絡回路を測定した場合に流れる100μAが一番大きな測定電流で、短絡回路以外の抵抗を測定している場合はそれと同等あるいはそれ以下の電流が測定電流になっています。
フルスケール電圧値は、そのレンジで最大の抵抗値を測定した場合(6kΩレンジなら、6kΩがフルスケール)に被測定抵抗の両端に生じる電圧降下を意味しています。例えば仕様書に6MΩ以下のレンジはすべて4.1Vdc未満と書かれている場合、該当するレンジでフルスケールの抵抗値を測定した場合に生じる電圧降下は4.1V未満です。言い換えると、フルスケール抵抗の測定において電圧降下が4.1V以上になるような測定電流は発生しません。
レンジ毎の測定電流が仕様書に明記されている製品は、ベンチトップ型(注1)をご検討ください。
校正器営業部の取り扱い製品となります。